起業前に知っておきたかったことはヤマほどあります。
納税の時期や消費税を納めなければならない売上の上限など
など・・・。
一方で起業前に知っておいて、役立ったこともわずかながら
あります。
今日はその1つ。「顧客ポジショニングマップを作る」という
お話です。
起業後まもなくでも、複数のサービスを提供する様になったり、
さまざまなお客様との取引が増えてきたら、是非作ってみまし
ょう!
「ポジショニングマップ」を作るとなぜよいのか?
「ポジショニングマップ」とは、簡単にいえば、縦軸・横軸の
2軸である要素を分類した図のことです。
つまり、あなたのお客様をグルーピングしてみるのです。
ある程度売上が上がってきた時に、顧客ポジショニングマップ
を作成するとよいでしょう。
それはなぜか?
作成することで、現在のお客様が自社にとってどういう位置づけ
であるかが視覚化される ので、
今後の進みたい事業の方向性が明確になり、新しい仕事の話が
来た時、自身の考えにもとづいて意図的にYES/NOの判断
がくだせるからです。
恥ずかしながら私の経験を少し加工した形で例にご紹介します
守秘義務の関係もありますので事実そのものではないです。
既存顧客への既存ノウハウで売上8割依存
開業して2年ほどはおもに小売業の購買データ分析作業を数社から請負
っていました。
分析は、会社に勤務していた時からずっと続けていたのでそれまで
のノウハウと技術で ある程度は「ラクに」サービスを提供していました。
ですが、「この業務だけ」を続けていくうちに、ふとこのままでは、
サービスが廃れてしまった時、売上がとんでもなく落込むのでは、
という思いに襲われました。
そこでつくったのが「顧客ポジショニングマップ」です。
縦軸と横軸をそれぞれ「既存客・新規客」「既存ノウハウ・新規ノウハウ」
で取り、4象限(しょうげん:2つの直線で仕切ってできた4つの部分の
1つひとつ)に、お客様を並べておいてみたのです。
次にそれぞれの4象限の売上もみてみました。
すると「既存客(=A社とB社)」で「既存ノウハウ」の象限に約8割の売上
が集中していました。
あまりに既存のノウハウに頼りすぎているのではないか、という危機感
をようやく覚えました。
既存顧客から新規ノウハウを得ようとするが・・・失敗
一方「新規ノウハウ」を得られる顧客は、その当時はほぼ皆無でした。
そこでまず「新規ノウハウ」を得る目的で、「既存客」に新サービスを
ご提案したのですが、これはうまくいきませんでした。
今だからわかるのですが、お客様が何を望んでいるか、深く観察したり
調査もせずに、私が提供したいものをオススメしていたからなんですね。
新規顧客へ新サービスを提供
次に考えたのは、「新規ノウハウ」が得られるサービスを新しいお客様
(=新規客)に提供することです。
小規模事業者や個人事業主へのコンサルティングサービスがこれにあたり
ます(=C社, D社)。
以前ブログで書いたように、無償提供から始まりある程度の売上が立つ
まで数年がかかりましたが、診断士の資格をとり創業相談で多くの数の
相談に乗るうちに細いながら柱の1つになりました。
また、既存のお客様からのご紹介で、新しいお客様にデータ分析やマーケ
ティングの文章術についてわかりやすく語るというセミナー講師の依頼が
来るようになりました。
それまでは殆ど経験がなかったのですが、積極的にお受けしていき都度、
時間がかかりながらレジュメを作りました。新しいノウハウがついた
サービスでした。
今でも新しい案件のお問い合わせをいただく時、まず考えるのは、
「お客様が求める価値を私らが提供できるのか。」
「私らはそれを請けることで新たなノウハウを得られるのか。」
です。悩むこともあります。お断りされたりしたりもあります。
が、常に今自分たちが獲得したいノウハウはコレ、と明確な回答をもって
いたいです。
顧客ポジショニングマップを作ると、あなたが過去に培ったノウハウで売上
を上げているのか、それとも積極的にノウハウを獲得しようとしているかが
一目瞭然になります。
複数のサービスを販売するようになったり、さまざまなお客様との取引が
増えてきたら、是非一度作ってみることをおすすめします。
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★☆編集後記☆★
シルバーウィークの5連休中「平日ではない」という解釈のもと、
ブログの更新を1度きりにしていたら、見事に書くスピードが
落ちました・・・反省です。
★☆今日のONTAD☆★
マルジュー大山本店、今年初めての富有柿
*“ONTAD”とは”One New Thing A Day”、
文字通り1日1つ新しいコトの体験を記録していきます。
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